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2009年12月05日

シンガポール節の門司水上警察


津波恒徳先生の歌う「シンガポール節」「シンガポール小」
沖縄民謡で有名ですが,

門司に滞在 五日間
うぬ間や
旅館ぬ二階に
宿とぅやい
サーサ 沖縄ぬ面影
目ぬ前に下がてぃ
暮らさらん
外国いちゅしや
ただあらん
ただあらん
水上警察 伺やい
サーサ 旅券ぬ下がりば
心安く便どぅ待ちゅる


この民謡は,大正13年5月にウチナーチュ18名がシンガポールに行く話しですよね。

当時の旅券は,本籍地の役場に出頭することになっていました。

外国旅券規則(明治40年2月15日外務省令第1号)
第2条のばっすい
旅券の下付を請ふ者は,…内国に於いては本籍地又は所在地の地方行政庁(東京府下に在りては移民に限り警視庁)に出頭すべし

そうすると,沖縄県民は,那覇で旅券をもらえたはずなのですが,この歌詞だと門司の水上警察で旅券をもらっているのです。



研究会の柳下報告で示された資料にありました!
民謡に出てくる彼らは,門司水上警察署で旅券を交付されねばならなかったのです。

外国旅券規則取扱手続
第2条のばっすい
内国に於て移民に下付する旅券は其の出発港の官庁(神奈川,兵庫,長崎の3県庁及福岡県門司水上警察署,山口県下関水上警察署)に於て之を交付す…

民謡の歌詞は,シンガポールへの移民の話だったということが分かりました。


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