2013年09月23日
テニアン島チューロ駐在文書1高等警察2秘匿されたパラオ丸撃沈

現在は北マリアナとなったテニアン島に戦前あった
チューロ巡査駐在所が作成した行政文書の中身に入ります。
写真は、テニアン島に残る旧橘神社鳥居
今回取り上げるのは、高等警察関係綴りから秘匿された
民間商船の沈没の情報について。
出典
簿冊標題 昭和十七年度・高等警察関係
請求番号 本館-3A-015-00・返青28004000
作成部局 南洋庁チューロ巡査駐在所
マイクロフィルム リール番号:002100、開始コマ:0143
年月日 昭和17年01月22日 - 昭和19年04月25日
「JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A06030084600、昭和十七年度・高等警察関係(国立公文書館)」
高等警察関係39と40ページには、
10・郵便物差出制限に関する件
と題する文書が綴られています。
文書番号:テ警高秘第103号
作成日付:1943年3月3日
作成名義:南洋庁テニアン出張所長
あて先:各受持ち駐在巡査殿


標題:郵便物差出制限の件
内容:パラオ丸遭難に関し先に限り秘匿解除ありたるを以て
郵便物差出承認及其の他取締上萬遺憾なきを期せられ度
記
昭和17年8月5日雷撃沈没の事実及遭難者氏名
但、罹災関係人の為す通信に限り死亡戸籍処理
其他積荷保険処理等に関し照復するものにして
遭難の原因怪我等を表示せざれば用件を達し得ざる
ものは之が記載を許容すること
パラオ丸について
パラオ丸沈没位置
出典は、戦没した船と海員の資料館HPより
学童疎開船対馬丸が雷撃で、いわゆる緘口令(かんこうれい)が敷かれたのと同じパターンですね。
秘匿の指定(最近話題の特定秘密ですな)があって、行政の判断で秘匿解除され、
解除の範囲が指定されるという段取りをふむわけですね。
戸籍や保険のためには、秘指定はできませんわな…。
Posted by bonin at 01:37│Comments(0)
│南洋群島慰霊墓参団
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