てぃーだブログ › くらしの悩み、なんくるないさ! › Palau › Palauan music › パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト

2013年09月19日

パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト

パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト
パラオ共和国ガラスマオ(Ngardmau)州といえば、戦前、南拓と三井が合弁で
南洋アルミを設立し、ボーキサイトの採掘をした場所です。
現地には、今も南洋アルミ専用索道の廃線が残り、写真のように、港には駅舎も残っています。

当時、ボーキサイト採掘には、沖縄県民、朝鮮半島、南洋群島民が
集められ、過酷な労働に従事していたようですが、動画のように
今も「アルミノシンゴト(Arumi no Shingoto)」として記憶に残されています。


アルミの仕事(Arumi no Shingoto)
歌詞で面白いのは、当時の記録や写真のとおり、ボーキサイトを鉱山から
港に運び出す「専用索道(ロープウェイ)」なのですが、
1番の歌い出しは、ケーブルカーになっています。

現地採録の歌詞から
1番
Arumi no Shingoto a Hiyobang a KEBURUKA,
Saireng no Stizi ki
Hazima ra Shingoto.

アルミの仕事は、評判はケーブルカー
サイレンの7時ki
始まる仕事

ロープウェイとかサクドー(索道)と言わずに、「ケーブルカー」と
歌ったのは、朝鮮半島からの徴用もしくは出稼ぎ労働者が
多数を占めていたからではなかったかと推理しています。

なぜなら、朝鮮半島には、日本でいうところのケーブルカーは
1か所か2か所しかなく、それをインクラインと呼ぶのです。
日本では、事業用ケーブルカーをインクラインと呼びます。

京都インクラインと琵琶湖疏水

ブログの過去記事から
2008年06月11日インクライン搭乗
2008年06月11日インクライン交換

朝鮮から来た労働者が、索道をケーブルカーと言ったのが
定着したのではないかと考えるのも自然なことだと思いますが
いかがでしょう?

2番・
Yama no ueni Ngerachetang no
Tzikayi, Saikochio no
Shingoto Kitar Belau el di Mekekerei.


3番・
Yasumi no Tsikangung
Eluut a mle L'cheltel Ongos,
El mle Mengeluut era Besengam er bebul
A Temekai el ked


つづいて、唄に出てくる箇所で現存する施設を2つご紹介します。

4番・
Kaeri ra Shingoto
Ma Tsidosi ra Kurando
Tanoshi Minasang,
Kimlo Melechong
Era Diong ra did.

帰りだ、仕事、待ち遠しraグランド…

パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト
ガラスマオ国民学校あと。
ここは、今も小学校が建っています。

アルミのシゴトが終わった労働者は、国民学校のグランドで
野球をしたんだそうです。

5番・
Ato no Kotowa
Kikaieri el mera Kaziyuku,
Yuhang Sumasite,
Ki Sanbo el mo
Ra Singetsu.


パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト
野球が終わって、合宿に戻り、
夕飯を済ませたら、心月(しんげつ)橋まで散歩したんだそうです。
心月橋は、今も悪路ながらガラスマオの中心市街地に向かう大切なルートです。

パラオ唄紀行ガラスマオに残るアルミノシゴト
2013年3月23日の夕方、ガラスマオ州知事の奥さんや
John Kyoshi Rechucher弁護士の奥さんはじめ、地元の皆さんの
清掃活動中にお邪魔して、一緒に歌を歌って
歌詞まで書いてもらってしまいました。

メ・スーラン!

アルミノシゴトとガラスマオのボーキサイト採鉱については、
飯高伸五さんの下記論文に詳述されています。
歌詞についても、丁寧に和訳されています。

2006年8月31日「ガラトゥムトゥンの踊る安里屋ユンタ―パラオ共和国ガラスマオ州における『アルミノシゴト』の記憶」『民俗文化研究』7: 104-120。


同じカテゴリー(Palau)の記事
ホノルル到着
ホノルル到着(2014-04-04 02:10)

機内食3食目17:22
機内食3食目17:22(2014-04-04 02:06)

子どもだらけ18:49
子どもだらけ18:49(2014-04-04 01:58)

4時間あるので18:44
4時間あるので18:44(2014-04-04 01:57)


Posted by bonin at 04:00│Comments(0)PalauPalauan music
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。