てぃーだブログ › くらしの悩み、なんくるないさ! › 小笠原資料 › 面白い!楚洲に関する金城報告

2010年09月19日

面白い!楚洲に関する金城報告


金城達也さん(糸満市出身・北海道大学大学院文学研究科博士課程)の楚洲の研究は、実に面白い!と思いました。
ポスター発表「沖縄・やんばる地域における環境保全と社会の多様性−沖縄県国頭村楚洲集落を事例として−」というものです

楚洲は、奥と安田の間に挟まれた地理関係になります。
マービウミ(サンゴ礁(イノーとそのちょっと沖)に住み着くマービが採れる豊かな海)に支えられて暮らしが営まれているそうです。


金城さんは、調査の結果、
・お魚の漁獲・分配・贈与をめぐっては、「あいまいさ」と「ゆるさ」によって社会関係が築かれ、集落にとって重要な資源が維持されてきた。
・楚洲集落では、メンバーシップも曖昧な、規範としてはルーズな自然とのかかわりが集落内外を含めた社会関係を築いてきた。
という2つの考えに至ったそうです。

具体的には、自然との関わりにおいて
1・メンバーシップ(漁獲に参加する人)
日によって違う、ある程度決まっているが、きっちり決まっていない。
2・漁獲物の分配・贈与
浜辺で行う分配の仕方の「ゆるさ」
3・「ざっくばらん」な関係
メンバーシップの「あいまいさ」や規範意識の「ゆるさ」によって特徴づけられる自然との関わり方が、直接自然と関わりを持たない人々にとってもゆるやかな社会関係を築く要因となる。
と指摘しています。

うちなーんちゅらしい視点で、地域の暮らしをうまく捉えた報告だったと感じました。

私としては、天災や外敵が来たとき、あるいは法的な紛争が起きたときにどんな対応をしてきたのか、という点は実に興味のあるところです。


同じカテゴリー(小笠原資料)の記事
ご署名原本の訂正
ご署名原本の訂正(2013-12-10 03:28)


※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。